2017年5月20日(土)から23日(火)まで開催した和小物さくら「イタリアの手仕事」展は、おかげさまで多数のご来場をいただきました。
今回の「イタリアの手仕事」展では、イタリア職人の技術を日本に紹介すべく、エトルリア時代の華やかなデザインで人気の「カステッラーニシリーズ」をはじめ、サルデーニャ島の珊瑚を加工したアクセサリー・アンティークマイクロモザイク・カメオなど様々なアクセサリーを展示いたしました。
22日にはナポリからデザイナーのアルフォンソ氏をお迎えし、レセプションを行いました。
イタリア「D’Elia Company」(デリーアカンパニー)
1790年にイタリア、ナポリで創業した「D’Elia Company」(デリーアカンパニー)は、江戸時代末期から日本に拠点を設け、最高級の珊瑚や真珠・貝殻などを世界に向けて販売していました。
また、真珠の養殖で富を成し、真珠王と呼ばれた御木本幸吉と協力して、真珠の販売を推進しました。
現在はトッレ・デル・グレーコの工房から世界に向けて、イタリア職人の繊細な手仕事による真珠やジュエリー、金細工、アクセサリーなどを販売しています。
中でも今回ご紹介したカステッラーニ・シリーズは、エトルリア時代の華やかなデザインで、大変な人気を誇っています。
和小物さくらでも、帯留めに「D’Elia Company」職人の手による繊細なアクセサリーを用い、皆様に好評をいただいております。
アンティーク マイクロモザイク
マイクロモザイクは、1mmに満たない極小のパーツを隙間なくはめ込み、絵画のように仕立てる技法です。イタリアでは古代から床や壁の装飾にモザイクという技術を用いてきました。初期のモザイクは石やレンガなどを使ったものが主流でしたが、その後はガラス片を用いるようになりました。
18世紀後半にはジュエリーなどの装飾品向けにより小さくなったものが登場し、マイクロモザイクと呼ばれるようになりました。
マイクロモザイクの全盛期は18世紀後半から19世紀後半までの100年と言われ、ヨーロッパ全体が騒乱に巻き込まれた1900年代前半には第一次世界大戦などが勃発し、ヨーロッパ文化の衰退とともにマイクロモザイクも消えていきました。
マイクロモザイクは、元々イギリスのグランドツアーと呼ばれる修学旅行で、バチカンを訪れた人々のおみやげとして生まれました。写真などなかった時代、荘厳なバチカンのフレスコ画に触れた人々が、少しでもその感動や雰囲気を伝えるためにマイクロモザイクをおみやげとして持ち帰ったそうです。
バチカンのモザイク工房では、バチカンのフレスコ画をはじめ、ナポレオンやエジプト、ローマなどをモチーフにした様々なマイクロモザイクが作られましたが、一つとして同じものは存在しません。
また、近代のガラスは色味が違うため、マイクロモザイクを再現するのは困難です。その繊細な出来栄えにより、偽物も出回っておらず、アンティークマイクロモザイクはサザビーズなどのオークションでも大変な人気を誇ります。
和小物さくらがお送りした「イタリアの手仕事」展は大変な好評の中、無事終了することができました。ご来場いただきました皆様に感謝申し上げます。