京都は794年に建設された平安京の時代から江戸時代の末まで、1000年もの長きに渡り日本の首都であり続けました。永らく日本の政治、文化、産業の中心地として発展し、都として繁栄を続けた歴史の中で、京都の職人たちは独特の技術や技法を発展させ、京友禅や西陣織などの伝統産業を生み出してきました。

京都の伝統産業は貴族や上流階級を対象にしてきた欧米のブランドとは違い、人々の生活や行事、趣味、遊びの道具として庶民と共に発展してきたという歴史があります。伝統産業から生み出される色鮮やかな着物や繊細な工芸品は、地域や社会の中で受け継がれてきた文化や風習、美意識を、職人たちの匠の技によって形にしたものです。

それは何ら特別なものではなく、日本では日々の暮らしの中で当たり前のように存在してきたものです。使う側もその背景にある技術や伝統を尊重し、一つのものを大切に、長く使うという習慣を育んできました。

現代では大量生産によってたくさんのものが身の回りにあふれ、便利で豊かな生活を実現しています。しかし、豊富な「もの」と引き換えに、職人たちが育んできた伝統や技術がどんどん失われています。長い歴史の中で磨き上げられた本物の伝統技術は、一度失われると容易に復活させることはできません。

和小物さくらのバッグは、単なる「もの」ではありません。それは昔から受け継がれてきた職人たちの匠の技と心意気であり、日本の伝統や文化でもあります。和小物さくらのバッグを身に纏うことは、日本の美意識や精神を纏うということなのです。

和小物さくらは、世界へ向けて京都の伝統産業を発信するとともに、国境や世代を超えたグローバルな時代の中で、ローカルな伝統産業のありかたを模索していきます。そして、本物の伝統技術を守るため、バッグに込められた職人たちの匠の技を世界中
の人々にお届けすることが、和小物さくらの大切なミッションだと考えています。